ゼミで学ぶ専門テーマ
テクノロジーとアート 〜新しいメディア空間を構想する〜
デジタルメディア(プロジェクションマッピング、モバイルメディアコンテンツ、バーチャルリアリティなど)を用いたイベントやプロジェクトの企画・運営を通して、人と人の新しいつながり(コミュニケーション)を革新するメディアを創造するための研究をします。
現代メディア社会と、ゼミの専門領域
人々の生活はコミュニケーション・テクノロジーとしてのメディアによって急速に変化しています。VRやAIなどの台頭により、こうした状況は加速度的に進むことが予測されています。そうした時代にあっても、人間の生きる意味や、他者とのコミュニケーションの意味は、人間本来の「生」に根ざしたものでなければ息苦しい社会になってしまうことでしょう。このゼミでは、そうした状況に風穴を開けるべくメディア・テクノロジーを工学や情報科学が扱う方法ではなく、芸術として扱うことによって人々のための公共圏を取り戻します。
専門性を身に付けるために
社会と関わりながら、専門性を身につけることを目指します。学生の皆さん一人一人が、調査法や制作技術、分析技術や情報発信の方法など専攻での学びによって得た知識や技術を持ち寄りコラボレーションしながら、企業や行政、学外の研究機関など、社会からの要請に応えることを通して、現代社会と切り結んだ創作と表現に挑戦する姿勢を通して専門性を身に付けていきます。
ゼミを通して学んでほしいこと
インタラクティブメディアを中心に新しいメディアの潮流を取り入れて、常に新しい企画に挑戦していくことを目指します。例えば、VRなどはアミューズメントパークやイベント、ミュージアムなどで人気ですが歴史が浅く、映像領域などで使われるような制作技法は、まだ十分に確立していません。同様に、これから生まれる新しいメディアには確立された技法は無いと考えて良いでしょう。過去の様々な技法に学びながら新しい技法を模索するという、パイオニア精神を持って、第一人者になってやろうという気持ちで新しく現れるメディア状況に好奇心を持って向かっていって欲しいと考えます。
卒業論文・卒業制作の例
繰り返し遊びたくなるローカルマルチプレイゲーム(2024):
鬼ごっこや、陣取りゲームなどのルールは単純だが繰り返し楽しめる伝統的な遊びなどの要素に着目して制作された多人数で楽しめるコンピューターゲーム。


Fall Down! : 落ちたら負けの対戦アクションゲーム
子供が折り紙を折って作るAR生き物図鑑(2023):
様々な動物を折り紙で作成する方法を著した図鑑形式のミニブックを作成した。子供の発達に合わせて難易度を変えた折り方を紹介していることと、完成した折り紙をスマフォで読み取るとARで動物の生態などの解説文が表示されるのが特徴である。

AR 生き物図鑑:構想段階の企画資料

AR 生き物図鑑:AR のマーカーとして機能するシール
羽ばたく卒業生
M.Mさんの事例:
在学生の時から学外でのアートイベントにグループで参加したり、芸術関連のコミュニティに参加し個展開催などを継続したりしていました。卒業プロジェクトでは、自身の作品制作だけではなく、卒業制作展をリーダーの一人として会場探しの交渉から進めて成功に導きました。就職はせずにアーティスト兼フリーランスのアートディレクターとして活動することを選択し、芸術活動を継続する傍ら起業しデザイン関連の広告案件などを多数手掛けるようになりました。


こみくしょん(2019):古民家を改装してメディア空間を構築しイベントを開催(リーダーの一人として参加)


ドクハク/情動(2019):『Check in Counter Culture』展(あいちトリエンナーレ地域展開事業『Windshield Time- わたしのフロントガラスから』) SNS 上で飛び交う誹謗中傷の言葉などを体験者が写しとる「写叫」の方法論で制作された作品