ゼミで学ぶ専門テーマ

坂倉ゼミは、写真表現を専門的に学びます。担当教員は、これまで美術展やマスメディアでの写真作品発表の他、地域社会でのアートイベントの企画運営など、各種の創造表現分野の活動を手掛けてきました。その経験を基に授業では、作品制作の企画立案から調査研究、相互批評、学外での展示発表までの取り組みを総体的に行います。その過程を通して、学生一人ひとりは各自の関心事に向き合い、そのテーマを粘り強く掘り下げ、目に見えることの奥に潜む人間や社会の問題への意識も深めていきます。

作品説明をするゼミ生たちのスナップショット


現代メディア社会と、ゼミの専門領域

スマホの普及にともない誰もがカメラを持ち、写真は気軽に撮影されインターネットの網の中にたやすく流れていく時代になりました。また、街頭では無数の広告写真がビルの屋上や壁面、バスの車体にも貼り出され私たちを取り囲んでいます。このようなメディア環境の中に暮らしながら、私たちは視覚情報を本当に的確に読み取れているでしょうか。写真を取り扱う能力を養うことは、これからの時代を生きる上で不可欠な学びとなるでしょう。

メディア環境としての街頭風景の一例


専門性を身に付けるために

坂倉ゼミでは、写真表現という専門的な一つの分野での学びを通して、将来どのような分野に進んでも応用可能な創造表現の能力を磨くことを念頭においています。
3年次前期では、写真と文章で人間や社会を深く見つめ考える指定課題に取り組みます。その成果は、他者に示すことのできる作品集(資料)としてまとめ上げます。後期では、独自のテーマでの作品づくりを行います。構想から調査研究、制作、相互批評、学外での展覧会の開催までを自分たちで取り組み、創造表現の基礎を築きます。
4年次の卒業プロジェクトでは3年次の学びを応用し、大学4年間の学びとこれまでの人生経験を注ぎ込んで、自分なりの記念碑となる完成度の高い作品の制作を目指します。

2024年度 坂倉ゼミ3年生・4年生学内合同展覧会「図書館ではお静かに展4.0」  
2023年度 坂倉ゼミ卒業制作展「彩りの交差展」 
2022年度 坂倉ゼミ 卒業制作展「展P」 

学外での展覧会場で作品鑑賞する来場者たち


ゼミを通して学んでほしいこと

流行の後追いや人気のアミューズメントパークで楽しませてもらっているだけでは、いつまでたっても創造表現の能力を磨くことはできません。目に映えるものだけでなく、日常世界に埋もれて誰も目を向けない物事にも目を向けてみる。ありふれた物事の中から自分が気になるものを選び出し、そこに新しい価値や意味を込めていくこと。坂倉ゼミでは、そのような創造表現の方法も学ぶことになるでしょう。


卒業論文・卒業制作の例

・写真と絵画の融合したアート作品
・壊れてしまった家族を見つめ直す写真作品
・風景の中に潜む人の暮らしの痕跡をとらえた写真集
・自分の故郷の風習を題材にしたフォトドキュメンタリー
・自分の祖母の取材を通して今を生きる自分を見つめた写真と文章による作品集 など

図書館ではお静かに展4.0記録写真


羽ばたく卒業生

ゼミで取り組んだ作品制作経験を活かして、フォトスタジオ、印刷・Webデザインや出版、映像制作などの幅広いメディア業界へ進む人のほか、多種多様な一般企業に進む人も多く、進路は幅広い業界へ開かれています。