高橋 洋/たかはし ひろし

脚本・映画監督

メッセージ

シナリオと映画制作の授業を担当しています。
映画・映像作品の製作現場で、監督やスタッフ・キャストに必須なのは「シナリオを読む」能力です。
「シナリオを読む」とは文芸作品を鑑賞するように読書する能力ではありません。
作り手として、このシナリオからいかなる作業を立ち上げるか、読み取る能力です。映画やテレビに出ている俳優たちもみな、この能力を身につけているから仕事が出来るのです。
「シナリオを読む」能力を身につける上で最良の方法は、自分でシナリオを書いてみること、さらにいえば、自分で映画を作ってみることです。
映画や映像作品がどのように作られているかを知ることは、広い意味でメディアを読み取る能力を研くことでもあります。

ピックアップ授業:「シナリオ」

水曜日5限の「シナリオ」では5分間のシナリオ作りを通して、ドラマとはどのように書けばよいのか、シナリオライティングの基本を身につけて貰います。参考となる映像作品も紹介します。基本さえ身につければ、誰でも短編シナリオが書けることを実証します。ついで期末課題として10分間のシナリオ作りに取り組んで貰います。

演習(ゼミ)について

3年ゼミでは、まず前期では、30秒間のサイレント映画を撮ることから出発し、次いで5分間のシナリオを書き、これを自分たちで撮影・演出します。
その体験を踏まえて10分間のシナリオを書き、夏休みの4日間を利用して、ゼミ生全員が演出パートを分担して、映像化します。僕もアドバイザーとして立ち合います。
後期では、リハーサルを通じて、演出やキャメラ・ポジションについて勉強し、次いで15分間のシナリオを書いて、これも春休みの4日間を利用して映像化します。

あくまでの初心者の自主映画なので、撮影などの専門的な技術は問いません。
4年ゼミは、卒制作品として、長編シナリオないしは短編映画のいずれかを選択し、各自が制作に取り組みます。

高橋ゼミの撮影・打ち上げ風景

研究課題・活動など

脚本家・映画監督として商業映画やインディペンデント映画の制作に携わっています。
中国・韓国・台湾の映画人たちとのコラボレーション企画にも取り組んでいます。

『恐怖』

『旧支配者のキャロル』

 『霊的ポリシェヴィキ』

『ザ・ミソジニー』

略歴

早稲田大学ロシア文学科卒業。
90年に脚本家デビュー。『女優霊』『リング』シリーズ等、一連のホラー映画でJホラー・ブームを引き起こす。
他の脚本作に黒沢清監督『蛇の道』、『予兆 散歩する侵略者』、鶴田法男監督『おろち』、三宅唱監督『Netflix 呪怨:呪いの家』など。
監督作に『ソドムの市』、『狂気の海』、『恐怖』、『旧支配者のキャロル』、『霊的ボリシェヴィキ』、『ザ・ミソジニー』など。
著書に『映画の魔』(青土社)、『映画の生体解剖』(洋泉社)、脚本集『地獄は実在する』(幻戯書房)など。